リネンの机に置かれた脚本の原稿と鉛筆、クリップ

Googleドキュメントには、文字を縦書きにする機能がありません。ページ設定にも段落の設定にも縦書きの項目はなく、20字×20行のような原稿用紙の設定もできません。縦書きの脚本が必要なら、Googleドキュメントで横書きのまま書き、仕上げの段階でWord形式に書き出して縦書きに組み直すのがいちばん確実な方法です。

それでも、Googleドキュメントは共同執筆やコメントのやりとりには便利です。このページでは、縦書きの代わりの方法、横書きで脚本を書くときの設定、海外向けのハリウッド形式の設定、そしてGoogleドキュメントでは手に負えないことを順に説明します。脚本の書式そのものは脚本の書き方のルールで確認できます。

Googleドキュメントで縦書きにする方法はある?

標準の機能では縦書きにできないため、ネット上ではいくつかの回避策が紹介されています。脚本のように長い文書に向いているかどうかで考えると、次のようになります。

方法やり方脚本に向くか
Wordで仕上げる横書きで書き、Word形式でダウンロードして縦書きに設定向いている。原稿用紙の設定もできる
図形描画やテキストボックス1行1文字になるよう幅を狭めて縦に並べる向かない。数行の見出し程度まで
縦書き変換のアドオンやツールテキストを縦書きの画像などに変換して貼る向かない。あとから編集しにくい
Googleスライドスライドにも縦書きの機能はなく、テキストボックスの工夫が必要向かない

見出しの一部を縦に見せたいだけなら図形描画でも足りますが、何十枚もある脚本をこの方法で縦書きにするのは現実的ではありません。執筆はGoogleドキュメント、提出用の清書はWordと、役割を分けるのがおすすめです。

Wordで縦書き・原稿用紙に組み直す手順

  1. Googleドキュメントで[ファイル]から[ダウンロード]を選び、[Microsoft Word(.docx)]で保存します。
  2. Wordで開き、[レイアウト]の[ページ設定]で文字方向を[縦書き]にします。
  3. 同じ画面の[文字数と行数]で、20字×20行など応募先の指定に合わせます。原稿用紙のマス目を表示したいときは、[レイアウト]の[原稿用紙設定]も使えます。
  4. フォントを明朝体にそろえ、半角の数字や記号を全角か漢数字に直します。縦書きでは半角数字が横に寝てしまうためです。
  5. ト書きの字下げ、セリフの2行目の1字下げが崩れていないか確かめ、PDFでも保存しておきます。

Wordでの設定は脚本テンプレートのガイドでもくわしく紹介しています。フォント選びは脚本のフォントのガイドをご覧ください。

Googleドキュメントで横書きの脚本を書く設定

横書きのまま書き進めるなら、最初に次の設定をした文書を一つ作り、テンプレートとして使い回すと楽です。

  • [ファイル]の[ページ設定]で、用紙をA4、向きを縦にします。
  • フォントは明朝体かゴシック体を選び、10.5〜12ポイントにします。Googleドキュメントの[その他のフォント]から、Noto Serif JPなども追加できます。
  • ト書きの行は、[表示形式]の[配置とインデント]から左インデントを付けるか、行頭に全角スペースを3つ入れて下げます。
  • 柱は行頭の○で、セリフは人物名「」で書きます。どちらも字下げなしです。
  • 段落の前後の余白はゼロにし、シーンの間だけ1行あけます。
○深夜のフェリー・客室(夜)
   誰もいないプラスチックの座席。自販機の低い音。
   高校生の佐藤葵(17)、リュックを枕に三つの座席にまたがって眠っている。
   年配の船員(60)が、葵の靴をつつく。
船員「(やさしく)最後の港は一時間前だよ」
葵「じゃあ、どこに向かってるんですか」

Googleドキュメントには字数と行数を指定する機能がないため、横書きの段階では枚数が正確な尺の目安になりません。枚数を確かめるのは、Wordで20字×20行に組み直してからにしましょう。

書式のコピーと段落スタイルで手間を減らす

  • 書式をコピー:正しく字下げしたト書きの行にカーソルを置き、ツールバーのペンキのローラーをクリックしてから、新しい行をクリックします。ダブルクリックすると、続けて何行にも使えます。
  • 段落スタイル:柱の行を見出しのスタイルに設定しておくと、左側のアウトラインにシーンの一覧が並び、目当てのシーンへすぐ飛べます。
  • テンプレートの複製:設定を終えた文書を「脚本テンプレート」という名前にし、新しい作品のたびに[ファイル]の[コピーを作成]で複製します。

共同執筆にはGoogleドキュメントが便利

共有とコメントは、Googleドキュメントのいちばんの強みです。セリフの手直しは[提案モード]で書けば、相手が一つずつ承認したり却下したりできます。質問や意見はコメントで残しましょう。書きはじめる前に同じテンプレートの複製を使うと決めておくと、字下げや表記がそろいます。

Googleドキュメントではできないこと

  • 縦書きと原稿用紙の設定。
  • 20字×20行のような字数と行数の指定。そのため枚数で尺を測れません。
  • 柱、ト書き、セリフといった要素の切り替え。行ごとに書式を手で付ける必要があります。
  • 柱がページの最後の行に取り残されないようにする調整。
  • シーン一覧、人物一覧、シーン番号の自動作成。Googleドキュメントは、どこがシーンでだれが人物なのかを知りません。

短編やワークショップの課題、共作の初稿なら、これらの制約はなんとかなります。コンクールに出す長編では、手作業の修正が積み重なり、枚数の確認もWordに移してからになります。

海外向け:ハリウッド形式の設定

英語の脚本をGoogleドキュメントで書く場合は、用紙をレター(8.5×11インチ)、余白を左1.5インチ、上下と右を1インチにし、フォントをCourier PrimeかCourier Newの12ポイント、行間を1行にします。字下げは余白からの距離で、人物名が左2.2インチ、括弧書きが左1.6インチと右2.0インチ、セリフが左1.0インチと右1.5インチ、場面転換は右揃えです。ページをまたぐセリフの(MORE)と(CONT'D)は自動では入らないので、手で書き足す必要があります(脚本の続き表記のガイド)。

Googleドキュメントの脚本をScenaloomに移す

Scenaloomはブラウザで使える脚本エディターで、入力に合わせて柱、ト書き、セリフなどの書式を整え、EnterとTabで要素を切り替えます。リンクやメールで共有してコメントをやりとりでき、Googleドキュメントと同じように共同で書けます。ハリウッド形式の脚本なら、Googleドキュメントから[ダウンロード]でPDFにして読み込めます。読み込んだあとは、柱、人物名、セリフが正しく認識されたかを確かめてください(読み込みと書き出し)。

Scenaloomも縦書きや原稿用紙の形式では出力できません。コンクール用の原稿は、Word(.docx)で書き出してから、上の手順で縦書きに整えてください。脚本を書きはじめる

よくある質問

Googleドキュメントで縦書きはできますか?

標準の機能ではできません。ページ設定にも段落の設定にも縦書きの項目はありません。縦書きが必要なら、Word形式(.docx)でダウンロードし、Wordのページ設定で文字方向を縦書きにするのが確実です。

Googleドキュメントで原稿用紙の形式にできますか?

できません。字数と行数を指定する機能もないため、20字×20行にはそろえられません。Wordには[原稿用紙設定]と[文字数と行数]の指定があるので、仕上げはWordで行いましょう。

Googleスライドなら縦書きにできますか?

Googleスライドにも縦書きの機能はありません。テキストボックスの幅を狭めて1行1文字にすれば縦書き風に見せられますが、脚本のように長い文章には向きません。

Googleドキュメントは脚本を書くのに向いていますか?

短い脚本や共作の初稿には向いています。共有、コメント、提案モードが使いやすいからです。ただし縦書きや字数の指定、要素の切り替えができないので、長い脚本やコンクールの原稿は、仕上げをWordや脚本ソフトで行うのがおすすめです。

Googleドキュメントで書いた脚本をWordにするには?

[ファイル]から[ダウンロード]を選び、[Microsoft Word(.docx)]で保存します。Wordで開いたら、縦書き、字数と行数、フォント、字下げを確かめ、必要ならPDFでも保存してください。