リネンの机に置かれた脚本の原稿と鉛筆、クリップ

脚本テンプレートとは、表紙、人物表、柱・ト書き・セリフが正しい位置に入った雛形のことで、言葉を書き換えるだけで脚本の形になります。下のシナリオテンプレートは日本の書式で書いてあるので、Wordやテキストエディターにそのまま貼り付けて使えます。

あわせて、Wordで20字×20行の縦書きに設定する方法、連続ドラマ用の形、英語圏に出すときのハリウッド形式のテンプレートも紹介します。書式そのもののルールは脚本の書き方のルールにまとめています。

日本の書式の脚本テンプレート

枠の中をすべてコピーしてください。表紙、人物表、本文の順に並んでいます。( )の中の説明を、自分の作品の内容に置き換えて使います。

(表紙)
    作品タイトル

            作 氏名

(人物表)
人物
 主人公の名前(年齢) ひとことの説明
 相手役の名前(年齢) ひとことの説明
 脇役の名前(年齢)  ひとことの説明

(本文)
○最初の場所(時間帯)
   情景を短く書く。人物が初めて出るときはフルネームと年齢を書く。
   主人公の名前(年齢)、何かをしている。
主人公「セリフ」
相手役「(言い方の指示)セリフ。2行にわたるときは、
 2行目の頭を1字下げる」
相手役(声)「画面の外から聞こえるセリフ」
   ト書きは3字下げ。動きで気持ちを見せる。

   × × ×

   同じ場所で、少し時間が飛んだあと。

○同・別の部屋(夜)

○次の場所(翌朝)

テンプレートを書き換えた例

同じテンプレートに一度目の言葉を入れたところです。要素の並びはそのままで、中身だけを替えています。

人物
 吉田理沙(31) 港町の図書館の司書
 中村蓮(17) 閉館間際に来る高校生

○港町図書館・閲覧室(夕)
   窓の外で、漁船のエンジン音。
   吉田理沙(31)、返却本を棚に戻している。
   中村蓮(17)、制服のまま駆け込んでくる。
蓮「すみません、まだいいですか」
理沙「(時計を見て)あと十分ね」
   蓮、まっすぐ地図の棚へ向かう。

Wordで脚本テンプレートを作る(20字×20行・縦書き)

多くのシナリオコンクールは、パソコンで書く場合の書式を「A4、20字×20行、縦書き」などと指定しています。Wordなら、次の手順で一度設定してテンプレートとして保存しておくと便利です。

  1. [レイアウト]から[ページ設定]を開き、[文字数と行数]タブで文字方向を[縦書き]にします。
  2. [文字数と行数を指定する]を選び、文字数を20、行数を20にします。用紙はA4、印刷の向きは横が一般的です。
  3. フォントは明朝体の10.5〜12ポイントにします。数字は漢数字か全角にそろえると、縦書きで読みやすくなります。
  4. 上の脚本テンプレートを貼り付け、ト書きの行頭に全角スペースを3つ入れて字下げをそろえます。
  5. [ファイル]から[名前を付けて保存]で、ファイルの種類を[Wordテンプレート(.dotx)]にして保存します。

Googleドキュメントには縦書きの機能がないため、横書きで書いて最後にWordで縦書きに組み直すのが現実的です。くわしくはGoogleドキュメントで縦書きの脚本を書く方法をご覧ください。

連続ドラマ用の脚本テンプレート

テレビドラマの脚本も、要素は映画と同じです。違うのは表紙と構成の目印です。

  • 表紙:シリーズのタイトルに続けて「第1話『サブタイトル』」を書きます。
  • 冒頭:タイトルバックの前に短い場面(アバン)を置く作品が多く、本文でも「アバンタイトル」「タイトル」と区切りを入れることがあります。
  • 結び:最後に「つづく」と書き、次回への引きで終えます。
  • 長さ:60分枠ならペラ100〜120枚前後が目安です(脚本の枚数のガイド)。
   港町ライブラリー
   第1話『閉館十分前』

○港町・岸壁(夜)
   街灯がひとつ。誰もいない漁船。

     タイトル

○港町図書館・閲覧室(翌日・夕)

書く前の構成テンプレート

本文に入る前に、構成の雛形を埋めておくと迷いにくくなります。次の項目を文書に写して使ってください。

  • ログライン:誰が、何を求めて、何に阻まれる話かを1文で(ログラインのガイド)。
  • 起:主人公の日常と、それを揺るがす出来事。
  • 承:問題が大きくなり、主人公が引き返せなくなる流れ。
  • 転:思いがけない展開で、物語の見え方が変わるところ。
  • 結:決着と、主人公が何を得て何を失ったか。
  • シーン一覧:1シーン1行で、柱とそこで変わること。いわゆる箱書きです。

海外向け:ハリウッド形式の脚本テンプレート

英語圏の映画祭や制作会社に出すときは、ハリウッド形式(Courier 12ポイント、USレター)のテンプレートを使います。下の3つは中身が英語の雛形で、表紙と、シーン見出し、ト書き、人物名、括弧書き、セリフ、場面転換が1つずつ入っています。

脚本テンプレート(ハリウッド形式・PDF)Courier 12ポイント、標準の余白で組んだ見本。英語の書式です

脚本テンプレート(ハリウッド形式・Fountain)テキストエディターやFountain対応のアプリで開けるプレーンテキスト

脚本テンプレート(ハリウッド形式・Final Draft FDX)Final DraftのほかScenaloomなどFDXを読み込めるアプリで開けます

ハリウッド形式の脚本テンプレート(PDF)の1ページ目のプレビュー
英語の書式の見本です。

Fountainは、大文字、コロン、空行で要素を見分けるプレーンテキストの形式です。日本語の名前は大文字にならないので、人物名の頭に@を付けて人物名として扱わせます。書き方はFountain形式のガイドで説明しています。

テンプレートと完成した脚本の違い

テンプレートはどこに何を書くかを教えてくれますが、どう読めるかを教えてくれるのは完成した脚本です。シナリオ・ミュージアムには、1ページのオリジナル脚本が6本あり、どれも自分のプロジェクトとして開いて書き直せます。

Scenaloomで書く

Scenaloomなら、テンプレートを用意しなくても、白紙の脚本を開くだけで入力に合わせて書式が整います。表示はハリウッド形式とアジア形式から選べます。Final Draft(.fdx)、Fountain(.fountain)、PDFの脚本を読み込めて、Fountain、Final Draft、Word、PDFで書き出せます。原稿用紙の形式や縦書きでは出力できないので、コンクール用にはWordで書き出してから上の手順で整えてください。新しい脚本を始める

よくある質問

無料で使える脚本テンプレートはありますか?

はい。このページの日本の書式のテンプレートは、自由にコピーして使えます。表紙、人物表、柱、ト書き、セリフ、画面外の声、時間経過の記号が入っています。海外向けにはハリウッド形式のPDF、Fountain、FDXも無料でダウンロードできます。

脚本のテンプレートをWordで作るにはどうすればいいですか?

[レイアウト]の[ページ設定]で文字方向を縦書き、文字数と行数を20字×20行に指定し、明朝体を選びます。テンプレートの文章を貼り付けてト書きを3字下げにそろえたら、Wordテンプレート(.dotx)として保存すれば、次からそのまま使えます。

シナリオのテンプレートには何を入れればいいですか?

表紙(タイトルと作者名)、人物表、本文の雛形の3つです。本文には、○で始まる柱、3字下げのト書き、人物名「セリフ」、2行目の1字下げ、(声)や(M)などの記号の例を入れておくと、書くときに迷いません。

コンクールに出す脚本はテンプレートどおりでいいですか?

基本の形はこのテンプレートで問題ありませんが、字数と行数、表紙やあらすじの有無、枚数の上限は賞ごとに違います。必ず最新の応募要項を確認し、指定があればそちらに合わせてください。

テンプレートをScenaloomに読み込めますか?

ハリウッド形式のFountainやFDXのテンプレートは、そのまま読み込めます。日本の書式のテキストは要素として自動では認識されないので、Scenaloomでは白紙の脚本から書きはじめ、アジア形式の表示を選ぶのがおすすめです。