編集タイムラインを映すモニターとフィルムリール、絵コンテ

ショートドラマとは、1話がおよそ1〜3分ほどの短いエピソードで語られる連続ドラマで、多くはスマートフォンで見るために9:16の縦長の画面で撮影されます。縦型ショートドラマ、マイクロドラマとも呼ばれます。1シーズンが数十話に及ぶこともあり、どの回もフックで始まり、次の話をタップせずにいられないクリフハンガーで終わるように作られています。

中国で「短劇」として急成長した形式で、日本でも専用の配信アプリ、TikTokやYouTubeなどのSNS、テレビ局の配信サービスで、オリジナルのショートドラマが次々と作られています。このページでは、見る側の人にも作る側の人にも向けて、ショートドラマの特徴、1話の構成のしかた、縦型の画面に合わせた脚本の書き方、シーズン全体の組み立て方を説明します。脚本の基本の書き方はそのまま使えるので、脚本の書き方も手元に置いておいてください。

縦型ショートドラマとは

縦型ショートドラマは、スマートフォンの画面を第一に考えて作られた連続ドラマです。特徴は3つあります。30分や1時間ではなく分単位で数えるエピソード、1〜2人を大きく映すのに向いた縦長の画面、そして毎回新しい問いで終わるような、速くて賭け金の高い展開です。

ジャンルは、恋愛、復讐、隠された身分、家族の権力争い、サスペンスなど、感情が大きく、賭け金がはっきりしたものに寄っています。数行で鋭く展開をひっくり返せるからです。とはいえ、ショートドラマは器であってジャンルではありません。1〜2分ごとに逆転を届けられるものなら、何でも成り立ちます。通勤や休憩のすきま時間に1話ずつ見られることが、人気の理由の1つです。

ショートドラマとテレビドラマの違い

比べる点テレビドラマ縦型ショートドラマ
1話の長さ30分〜1時間1〜3分ほど
話数1クール10話前後数十話から100話近くまで
画面横長16:9。引きの絵も使える縦長9:16。寄りと2人の絵が中心
テンポ第一幕でじっくり設定を見せられる最初の数秒で前提が分かる
1話のシーン数数十1〜3つの短いシーン
  • 長さ:ショートドラマの1シーズンは、全話を合わせても長編映画1本より短いことがあり、それを何十話にも分けて配信します。
  • 画面:9:16の画面は寄りの絵と2人の絵に向いていて、群衆や風景の引きの絵にはあまり余地がありません。
  • テンポ:ゆっくりした第一幕を置く時間はありません。前提はふつう第1話の中で、しばしば最初の数秒で分かります。
  • シーン:1話に入るのは1〜3つの短いシーンで、それぞれが1つの転換を中心に組まれます。
  • 説明:人物の背景は、落ち着いた会話ではなく、非難、暴露、誰かが読み上げる書類など、対立の中で明かされます。

ショートドラマの1話の構成

多くのショートドラマの1話は、同じ4つの形を2分ほどに縮めたものです。日本の書き手には、起承転結を極端に速くしたものと考えると分かりやすいかもしれません。

  1. フック(最初の数秒):設定ではなく、対立か目を引く絵から始めます。第1話でなければ、前の回のクリフハンガーにすぐ答えます。
  2. エスカレート:状況を一歩先へ押し進めます。脅し、嘘、取引の申し出、屈辱。
  3. 逆転:ひっくり返します。弱い立場の人物が優位に立つ、秘密が明かされる、味方が敵だったと分かる。
  4. クリフハンガー(最後の数秒):答えの出ない問いで終えます。開く扉、口にされた名前、まだ下されていない選択。答えの手前で切ります。

フックと最初の逆転を数行で見せる、オリジナルの1話の冒頭です。

○ホテル・宴会場(夜)
   結婚披露宴の乾杯。
   借りもののウェイトレスの制服を着た怜奈(26)、グラスをのせたトレーを持ったまま固まる。
   新郎の拓海(32)、グラスを掲げる。
拓海「僕の花嫁に。僕に一度も嘘をつかなかった、ただ一人の女性に」
   怜奈、トレーを置き、マイクへ歩み寄る。
怜奈「おかしいですね。その人、昨日わたしに嘘をつきましたよ。あなたの部屋で」
   会場が静まり返る。新婦の手からグラスが滑り落ちる。

どの行も物語を動かしています。最初のセリフが皮肉の下地を作り、怜奈の最初のセリフがそれをひっくり返します。この回は新婦の反応で終えることも、拓海が怜奈に向き直り、次の話まで答えの聞けない問いを投げかけたところで終えることもできます。

ショートドラマの脚本の書き方

ショートドラマの脚本も、ふつうの脚本と同じく柱、ト書き、セリフで書きます。ハリウッド形式なら1ページがおよそ1分、日本のペラなら1枚がおよそ30秒の目安もそのまま使えます。縦長の画面に合わせて、次のような習慣が役に立ちます。

  • 各話を新しいページから始め、話数を書いておきます。何十本もの短い脚本を制作側が管理しやすくなります。
  • 場所と人物は、物語が許すかぎり少なくします。縦長の画面にも、きつい撮影スケジュールにも、そのほうが合っています。
  • ト書きは顔と手を中心に書きます。この形式では反応がいちばんの見せ場なので、俳優が反応できるものを用意します。
  • 画面上の文字は意図して使います。スマホのメッセージや字幕はスマートフォンで読みやすいからです。インサートや回想を原稿にどう書くかはモンタージュと回想のガイドで説明しています。
  • セリフは短くします。2行までのセリフはテンポよく切れ、次の転換のための余地を残します。

ショートドラマのシーズン構成の作り方

1話が短いぶん、構成はシーズン単位で組み立てます。シーズン構成は、番号を振ったエピソードの一覧で、各話に「何が起きるか」「何が転換するか」「クリフハンガーは何か」を1行ずつ書きます。作り方の手順は次のとおりです。

  1. 中心となる秘密や理不尽を含めて、企画を1文で書きます。ログラインのガイドが役に立ちます。
  2. 結末を決め、そこへ向かう2〜3の大きな暴露を決めます。シーズンのおよそ4分の1、半分、4分の3の位置に置きます。
  3. 暴露と暴露のあいだの回を、小さな転換で埋めます。大きな物語がほとんど動かない回でも、どの回にもその回の逆転が必要です。
  4. リズムを確かめます。主人公の勝ちと負けを交互に置き、どの区間も平坦にならないようにします。
  5. 人物、人間関係、世界のルール、トーンを書いた企画書(シリーズの設定資料)を作り、どの回もぶれないようにします。

大きな暴露は、ショートドラマにおける幕の切れ目です。三幕構成を知っているなら、物語の構成のガイドで、同じ転換点を映画1本ではなくシーズン全体に散らす方法を確かめてみてください。テレビの連続ドラマとの違いはドラマ脚本の書き方でも説明しています。

Scenaloomでショートドラマを書く

Scenaloomはエピソードを持つシリーズに対応していて、すべてのエピソードをカードで並べるエピソードボードで、シーズン構成と脚本を隣り合わせに置けます。世界観の「ショートドラマ」テンプレートを使えば、冒頭のフック、各話のリズム、クリフハンガーの項目が入ったシリーズの設定資料から始められます。「ショートドラマ・プロデューサー」のアドバイザーは、実際に撮影できるかどうかも考えながら、フック、人間関係、クリフハンガーについて意見をくれます。AIで動画を生成する場合は、動画プロジェクトを縦向きに設定できます。くわしくは物語の構成の機能を見るか、シリーズを始めてみてください。

よくある質問

ショートドラマとは何ですか?

1話がおよそ1〜3分の短いエピソードでできた連続ドラマで、多くはスマートフォン向けに縦長の9:16で撮影されます。1シーズンが数十話になることも多く、どの回もフックで始まり、クリフハンガーで終わります。恋愛、復讐、秘密、権力争いなど、賭け金のはっきりした物語が好まれます。

縦型ショートドラマとショートドラマは同じものですか?

ほぼ同じです。縦型ドラマ、ショートドラマ、マイクロドラマ、ミニドラマは、どれもスマートフォン向けの、とても短いエピソードでできた連続ドラマを指します。「縦型」は9:16の画面を、「ショート」や「マイクロ」は1話の短さを表しています。速いフック、頻繁な逆転、クリフハンガーという書き方は共通です。

ショートドラマはどこで見られますか?

ショートドラマ専用の配信アプリのほか、TikTokやYouTubeのショート動画、テレビ局が運営する配信サービスなどで見られます。中国で生まれた作品を日本語字幕や吹き替えで配信するアプリも多く、最初の数話を無料で見られ、続きはポイントや有料会員で見る仕組みが一般的です。

ショートドラマの脚本は1話何枚くらいですか?

ハリウッド形式なら1話1〜3ページ、日本のペラ(200字詰め)なら1話2〜6枚ほどが目安です。シーズン全体では長編映画1本分から、それよりかなり多い分量になり、それを多くの短いエピソードに分けます。1話には、1つの転換を中心にした1〜3つのシーンを入れるのが基本です。

ショートドラマのクリフハンガーはどう書けばいいですか?

いちばん緊張が高まった瞬間に、答えの出ていない問いで終えます。言いかけた秘密、開く扉、下されようとしている選択などです。答えの手前で切り、次の回の最初の数秒で回収します。最後の絵から先に書くと、それより前のすべての行をそこへ向けやすくなります。

ショートドラマはふつうの脚本ソフトで書けますか?

書けます。ショートドラマもふつうの脚本の書式で書くので、どの脚本ソフトでも原稿は書けます。いちばん役に立つのは、シリーズとエピソードの管理、シリーズの設定資料を置く場所、シーズン全体を見渡せる画面です。Scenaloomのシリーズには、エピソードボード、世界観の「ショートドラマ」テンプレート、「ショートドラマ・プロデューサー」のアドバイザーがあります。