リネンの机に置かれた脚本の原稿と鉛筆、クリップ

脚本の枚数は、日本では200字詰め原稿用紙(ペラ)で数えるのが一般的で、ペラ1枚がおよそ30〜40秒、400字詰め1枚ならおよそ1分の尺にあたるといわれます。60分前後のテレビドラマならペラ100〜120枚、2時間の映画ならペラ200〜240枚ほどが目安です。

枚数は、だれかが一行目を読む前から見られています。規定を大きく超えた原稿は長くて冗長だと思われ、極端に少ない原稿は物語が描き切れていないのではと思われます。このページでは、作品の種類ごとの枚数の目安、ペラと尺の関係、枚数が増えたり減ったりする理由を説明します。

作品の種類ごとの枚数の目安

次の数字は慣例による目安で、ジャンルや放送局、作品によって変わります。

作品の種類尺ペラ(200字詰め)400字詰め換算
短編映画15分25〜30枚13〜15枚
30分ドラマ約25分(CM抜き)45〜55枚23〜28枚
60分ドラマ約45〜50分(CM抜き)100〜120枚50〜60枚
長編映画90〜120分180〜240枚90〜120枚
縦型ショートドラマ1話1〜2分3〜5枚2〜3枚

民放の連続ドラマは、番組枠が60分でもCMを除いた本編は45分前後です。枚数を考えるときは、枠の長さではなく本編の長さで計算しましょう。縦型のショートドラマについてはショートドラマのガイドで説明しています。

シナリオの枚数と時間:ペラ1枚は本当に何秒?

ペラ1枚の秒数は、あくまで脚本全体を通した平均です。テンポのいい会話が続くページは20秒ほどで終わることもあれば、「両軍がぶつかる」の一行が数分の場面になることもあります。一本を通せば、その差はならされていきます。だからこそ、プロデューサーや助監督は、今も枚数から尺を見積もります。

この目安が使えるのは、書式がそろっているときだけです。ペラなら20字×10行、ワープロなら20字×20行、ト書きは3字下げ、という決まった書式で書いて初めて、枚数が尺の物差しになります。書式は脚本の書き方のルールにまとめています。

脚本の枚数が増える理由、減る理由

セリフとト書き

日本の書式では、セリフは「名前「…」」と行頭から書き、2行目から1字下げで続けます。短いセリフのやりとりが続くと、1行に数文字しかない行が増えて枚数がふくらみます。反対に、ト書きをぎっしり書くと、枚数は少なく見えても実際の尺は長くなります。

改行と余白

短いト書き、こまめな柱、テンポのいい会話は、紙面に余白を作り、枚数を増やします。読みやすさのうえではたいてい良いことですが、一文ごとに改行していると、内容以上に枚数が増えてしまいます。

書式をいじる

規定枚数に収めるために、字数や行数を変えたり、文字を小さくしたりするのは、すぐにわかります。読む人は標準の紙面を見慣れているからです。長すぎるならシーンを削りましょう。逆に短すぎる場合も、ト書きを水増しするのではなく、まだ描き切れていない展開や関係がないかを探します。

長すぎる脚本の削り方

初稿が目安を大きく超えたら、行より先に物語を削ります。

  1. 観客がすでに知っている情報をくり返すシーンを削ります。
  2. シーンには遅く入り、早く出ます。口論の途中から始まるシーンに、あいさつは要りません。
  3. 同じ役割を果たしている脇役を一人にまとめます。
  4. ト書きはカメラに映ることだけに絞り、場面がすでに見せていることを説明するセリフを削ります。
(直す前)
   健二、本棚と古いひじ掛け椅子の横をゆっくり通り過ぎ、
   窓のところまで歩いていくと、立ち止まって外を見る。

(直したあと)
   健二、窓辺に立つ。

一か所で2行。それが百のシーンで積み重なれば、ペラで10枚近くになります。

初稿はどれくらいの長さでいい?

初稿は長くなってもかまいません。足りない原稿を引き伸ばすより、長い原稿を削るほうがずっと簡単です。応募や提出の稿までに目安の範囲に収めれば十分です。多くの場合、初稿がふくらむのは物語の中盤、起承転結でいえば「承」で、脇筋が増えていくところです。そこを削るなら、行を少しずつ削るより、脇筋を一本まるごと落とすほうが効きます。構成の目安は物語の構成のガイドや箱書きが参考になります。

海外向け:英語の脚本は何ページ?

英語の脚本は、Courier 12ポイント、USレター、1ページ約55行の書式で、1ページがおよそ1分とされます。長編映画は90〜120ページ、1時間のドラマは50〜65ページ、30分のドラマは25〜35ページほどが目安です。ページをまたぐセリフに入る(MORE)と(CONT'D)も枚数を少し押し上げます(脚本の続き表記のガイド)。

Scenaloomで書く

Scenaloomは、エディターの画面とPDFの書き出しで同じレイアウトの仕組みを使うので、書いているときのページ数がそのままPDFのページ数になります。ストーリーマップでは脚本の[目標の長さ]を設定でき、超えたページは赤で表示されます。ページ数は原稿用紙のペラではなく、ハリウッド形式やアジア形式のページで数えられる点に注意してください。くわしくは表示とページ分けをご覧ください。脚本を書きはじめる

手元の原稿の長さを確かめたいときは、無料の台本の時間計算ツールに貼り付けると、ページ数と、映像での尺、読み上げにかかる時間の目安がわかります。

よくある質問

脚本のペラ1枚は何分ですか?

ペラ(200字詰め原稿用紙)1枚で、およそ30〜40秒といわれます。400字詰め1枚ならおよそ1分です。会話の多いページは短く、動きの多いページは長くなるので、脚本全体を通した平均として使います。

60分ドラマの脚本は何枚くらいですか?

ペラで100〜120枚前後、400字詰めで50〜60枚前後が目安です。民放の60分枠ならCMを除いた本編は45分前後なので、枠ではなく本編の長さで考えます。コンクールでは応募要項の枚数指定に従ってください。

2時間の映画の脚本は何枚ですか?

ペラでおよそ200〜240枚、400字詰めで100〜120枚が目安です。英語のハリウッド形式なら、120ページ前後になります。

短編映画の脚本は何枚くらいですか?

尺によって大きく変わりますが、10〜15分の短編ならペラ20〜30枚ほどです。映画祭の短編部門は15分前後までの作品が多く、短いほど撮影もしやすくなります。書き方は短編映画の脚本のガイドで説明しています。

脚本が規定枚数を超えたらどうすればいいですか?

字数や行数を変えて詰めるのではなく、物語を削ります。観客がすでに知っている情報をくり返すシーン、同じ役割の脇役、場面が見せていることを説明するセリフから削ると、内容を損なわずに枚数を減らせます。