カットバックとは、同時に起きている2つ以上の場所の出来事を、交互に切り替えて見せる手法です。最もよく使われるのは電話の両端を見せる場面です。ハリウッド形式の脚本では INTERCUT と書き、両方の場所を一度見せたあとは、セリフのたびに新しいシーン見出しを立てずに行き来してよいことを読み手に伝えます。

カットバック(インターカット)とは

クロスカッティングは同じ考え方を指す編集用語で、1つの会話に限らない並行する出来事によく使われます。日本のシナリオでは、柱を2つ立てたあとに「(カットバック)」と書くのが一般的です。

INTERCUTと電話の場面の書式

カットバックの脚本では、まずそれぞれの場所を、シーン見出しとト書き1行で見せ、そのあとに INTERCUT の行を入れます。『Two Calls』は、ISOLATION(隔離)と書かれたドアを見つめるアマのいる病院の廊下で始まり、高速道路のサービスエリアの公衆電話にいるトムに切り替わってから、INTERCUT - AMA AND TOM と書いています。そこからはセリフが1つのシーンとして続き、「黒い車が駐車場に入ってくる」のようなト書きは、それが起きた場所の流れの中に置きます。前置きの行の書き方はシーン見出し(柱)のガイドで説明しています。

INT. 中古レコード店 - 昼

RENA(30代)が店の電話に出る。

INT. タクシー(走行中) - 昼

OSAMU(30代)が携帯電話を低く構えている。

INTERCUT - RENA AND OSAMU

RENA
遅いよ。

OSAMU
もう店の前にいる。顔を上げるな。

通話の片側しか映さないなら、カットバックにはしません。シーン見出しは1つのままにし、映らない側の役名に (V.O.) をつけます。After the Floodの書き方と同じです。日本のシナリオなら「(声)」や「電話の声」と書く場面です。通話が終わったら、新しいシーン見出しで1つの場所に戻ります。Scenaloomでは INTERCUT の行をシーン見出しの要素として入力します。すべての要素は書式設定のドキュメントに一覧があります。

カットバックの脚本で、どこで切り替えるか

通話のうち、反応が起きている側に切り替えます。『Two Calls』は、彼女がトムを呼び、そのあとで「呼ばないで」と頼んだと聞かされる瞬間はトムにとどまり(「トムは目を閉じる」)、最後の映像ではアマに戻ります。ガラスの向こうでモニターの音が速くなる場面です。トムには黒い車、アマには患者と、どちらの側にもそれぞれの脅威があります。だからこそ、このカットバックは成り立っています。

カットバックでよくある失敗

  • 前置きを省く。先に2つのシーン見出しがないと、読み手は2人目の声がどこにいるのかわかりません。
  • セリフのたびに見出しを立てる。それこそが INTERCUT で避けたいことで、ページ数も無駄に増えます。
  • ただ話しているだけの2人をカットバックする。どちらの場所も何も足していないなら、片側だけを見せ、もう一方は (V.O.) にしましょう。

やってみよう

  1. 話し手それぞれが、違う形で脅かされている場所にいる電話の場面を書きます。
  2. それぞれの場所をシーン見出しとト書き1行で見せてから、INTERCUT を入れます。
  3. 両方の場所に、会話をさえぎる目に見える出来事をひとつずつ起こします。『Two Calls』を脚本エディタで自分のプロジェクトとして開き、黒い車を自分で考えた邪魔に置き換えてみましょう。

よくある質問

脚本で電話の場面はどう書きますか?

書き方は2通りです。両方の話し手が映るなら、それぞれの場所をシーン見出しで見せ、INTERCUT と書いてからセリフを1つのシーンとして続けます。片方しか映らないなら、そのシーン見出しのまま、映らない話し手の役名に (V.O.) をつけます。声は電話越しに聞こえても、本人は画面に映っていないからです。日本のシナリオでは、前者を「(カットバック)」、後者を「(声)」と書くのが一般的です。

脚本のINTERCUTとはどういう意味ですか?

すでに登場した複数の場所を交互に切り替えることを読み手に伝える指示で、主に電話の場面や同時に進む出来事で使います。繰り返し立てるはずのシーン見出しを1つの指示にまとめるので、ページが読みやすくなり、実際の切り替えの順番は監督と編集に任せられます。

カットバックとクロスカッティングの違いは何ですか?

どちらも同じ手法を指します。クロスカッティングは並行する出来事を交互に見せる編集側の用語で、INTERCUT(カットバック)は脚本家がページに書く言葉です。脚本では電話の場面に INTERCUT を使うことが多く、長い並行シーンは別々のシーンとして書くのが普通です。

カットバックとフラッシュバックは何が違いますか?

カットバックは同じ時間に別の場所で起きていることを行き来する手法で、フラッシュバックは過去の出来事を差し挟む手法です。時間がずれるならフラッシュバック(回想)として書きます。詳しくはモンタージュとフラッシュバックのガイドを参照してください。