サブテキストとは、言葉の下にある意味のことです。登場人物が望んでいること、恐れていること、知っていることのうち、はっきりとは口にしない部分を指します。脚本の中では、セリフと状況のすき間に生まれ、観客はセリフが述べている以上のことを理解します。日本語でいう「行間」や「言外の意味」に近い考え方です。
サブテキストとは
何かがかかっているとき、人は思っていることをそのまま言いません。サブテキストのあるセリフが本物らしく聞こえるのは、はぐらかし、礼儀正しく、駆け引きをする、実際の会話と同じ振る舞いをしているからです。
『The Interview』はセリフの中にどう意味を隠しているか
表面上は採用面接です。その下で二人はお金の交渉をしていて、どちらもそれを認めません。
- 「リスクを取る会社にずっと憧れていました」はお世辞です。「リスクなんて取ってないよ。全然大丈夫」は否定で、大丈夫ではないことを示す最初のヒントになっています。
- 「椅子は差し押さえられちゃって」。スーツ姿の女性がビーズクッションにちょこんと座る冒頭の映像が、ここで回収されます。会社にはお金がなく、プリヤもそれを知りました。
- 「ここに。できれば椅子に座って」。プリヤの5年後の展望は冗談ですが、真実を見抜いたうえでこの仕事がほしいとキットに伝えています。
- 「金曜より前に来られる? 給料日が金曜なんだ」。キットが雇おうとしているのは社員というより救い手で、このセリフはそれを口にせずに伝えています。
笑いが生まれるのは、二人ともうわべの芝居をやめないからです。最後の「(ゆっくりと) 金曜より前に」は、プリヤが自分の引き受けた仕事が何なのかに気づく瞬間です。
サブテキストを運ぶト書きとカッコ書き
カッコ書き(パレンセティカル)は、読み手が見落としそうな言い方を示すときだけ、控えめに使います。「(slowly)」が効くのは、このシーンでそれが唯一のカッコ書きだからです。間はト書きに「Beat.」と書くか、具体的な動作で見せます。「キットは噛むのをやめる。彼女を見つめ直す」は、なぜかを説明せずに、何が変わったのかを俳優に伝えています。日本のシナリオで、セリフの前に(間)や動作を書き込むのと同じ役割です。
MAI スープ、どうだった? KENTA (スプーンを置きながら) すごく……挑戦的な味だね。
カッコ書きは役名の下に独立した1行で書き、セリフより幅を狭くします。字下げの寸法は脚本フォーマットのガイドにあり、Scenaloomで空のセリフ行に「(」を入力するとカッコ書きが始まることは書式設定のドキュメントで説明しています。
サブテキストでよくある失敗
- 本音をそのまま言わせる。「給料が払えないかもしれなくて心配なんだ」と言わせた時点で、このシーンは死んでしまいます。状況に語らせましょう。
- 表の会話がない。表面の会話そのものに目的がないと、シーンは含みがあるのではなく、ただぼんやりして見えます。
- カッコ書きで説明する。「(つまり会社にお金がない)」のような指示は、サブテキストをただのテキストに戻してしまいます。
サブテキストのあるシーンを書く
- 登場人物を2人選び、表向きの話題を決めます。仕事、夕食、迷子の犬など何でも構いません。
- それぞれに、口に出せない本当の望みを持たせ、その望みがぶつかるようにします。
- どちらの望みも口にしないようにシーンを書き、どちらかの本音が漏れる動作をひとつ加えます。『The Interview』を脚本エディタで開き、給料の話を出さずにキットの最後のセリフを書き直してみましょう。
よくある質問
映画のサブテキストとは何ですか?
セリフや行動の下で運ばれる意味のことで、登場人物が口にしない感情、動機、緊張を指します。観客は文脈や振る舞い、言われなかったことからそれを読み取ります。そのためシーンに生活感が出て、俳優にも演じるべきものが生まれます。
セリフにサブテキストを持たせるにはどう書けばいいですか?
それぞれの人物に口にしない目的を与え、別の話題についての会話を書きます。言葉選び、話のそらし方、冗談で隠れた目的をにじませます。人物が自分の気持ちを説明している行は削り、間や止まった手のような動作で、サブテキストが表に出る瞬間を示しましょう。
サブテキストの例を教えてください。
『The Interview』では、創業者が応募者に「給料日が金曜」だから「金曜より前に来てほしい」と頼みます。言葉の上では日程の話ですが、サブテキストは、会社が社員に給料を払えず、彼女にどうにかしてほしいということです。言葉ではなく小道具が運ぶサブテキストの例は、The Keeperで読めます。
説明ゼリフとサブテキストのあるセリフはどう違いますか?
説明ゼリフは、観客に情報を伝えるために人物が事実や気持ちをそのまま話すセリフです。サブテキストのあるセリフは、別のことを話しながら本当の意図をにじませます。書いたセリフが登場人物同士ですでにわかっていることを言っていたら、説明ゼリフになっていないか見直しましょう。