書類を開いたノートパソコン、ストップウォッチ、印刷した脚本

Final Draft(ファイナルドラフト)はアメリカで作られた脚本ソフトで、英語圏の映画やドラマの現場で標準的に使われています。その代わりになるソフトを探すなら、Final Draftの.fdxファイルを、書式とページ数を崩さずに読み込み、書き出せることが最初の条件です。日本語の脚本を書くなら、日本式の書式で書けるかどうかも確かめましょう。

このページはブラウザで使う脚本ソフト、Scenaloomが書いています。Final Draftとの機能や価格の比較はしません。最新の条件は公式サイトで確かめてください。ここでは、原稿を移すときに何が起きるか、Scenaloomではどう扱うか、デスクトップのソフトにとどまったほうがよい人は誰かを説明します。

FDXファイルとは

FDXファイルは、Final Draftの標準の保存形式です。XMLをもとにした形式で、脚本の段落ひとつひとつを、柱、ト書き、人物名、セリフといった要素の種類と一緒に保存し、文字の装飾や文書の設定も含みます。多くの脚本が.fdxでやりとりされるため、ほとんどの脚本ソフトがこの形式を読み込め、書き出せるソフトも多くあります。

海外の共作者やプロデューサーから.fdxが届いて、Final Draftを持っていない場合でも、FDXを読み込める脚本ソフトで開けば、読む、直す、PDFに書き出すことができます。

「Final Draft」は日本語の脚本に使えるか

Final Draftは、ハリウッド形式(US Letterの用紙、Courier 12ポイント、人物名を中央寄りに置く書式)を前提に作られています。日本の脚本の、縦書き、200字詰め原稿用紙(ペラ)、柱を「○」で始めてト書きを3字下げる書式とは、そもそもの形が違います。

海外の映画祭や英語圏の共作のためにハリウッド形式の脚本が必要なら、Final Draftやその代わりになるソフトが役立ちます。日本の現場やシナリオコンクールに出す脚本なら、Wordなどのワープロや、日本式の書式に対応したソフトで書くのが一般的です。日本語の入力や表示がどこまで快適かは、ソフトや版によって違うので、体験版や無料プランで実際に数ページ書いて確かめてください。

代わりを探す理由

乗り換えを考える理由は、不満よりも実際の都合であることが多いものです。Chromebookや借りたパソコンで書きたい、別の町にいる共作者と同時に書きたい、構成と原稿を一か所にまとめたい、企画がまだ試しの段階なので無料プランから始めたい。どれも、FDXを手放す理由にはなりません。必要なのは、FDXをきちんと扱える代わりのソフトです。

FDXを読み込むと何が引き継がれるか

Scenaloomに.fdxファイルを読み込むと、段落ごとに要素の種類が保たれるので、柱、ト書き、人物名、セリフに添える括弧書き(パレンセティカル)、セリフ、トランジションが同じ要素として入ります。太字、斜体、下線も保たれ、.fdxに書き出し直しても残るので、ソフトのあいだを往復できます。

  • 要素:柱、ト書き、人物名、パレンセティカル、セリフ、トランジション、ショットが、Scenaloomの要素に対応します。
  • 装飾:太字、斜体、下線は、読み込みでも書き出しでも残ります。
  • 人物とロケ地:読み込んだ原稿の人物名と柱から、キャラクター、ロケ地、小道具のページが作られるので、打ち直す必要はありません。
  • シーン:シーン一覧とシーンボードは柱から読み取られるので、読み込んだ直後から構成が見えます。

手で確かめたいのはページ数です。ScenaloomはCourier Primeの12ポイント、1ページ55行、標準の余白でページを組み、エディターのページとPDFの書き出しは一致します。ただ、ソフトによってフォントや改ページの決まり、設定が少しずつ違うため、改ページの位置がずれることがあります。読み込んだら、元のPDFとページ数と最後のページを見比べてください。

考え方の違い

Scenaloomは、デスクトップの脚本ソフトとは4つの点で考え方が違います。ここでは自社の製品のことだけを書きます。どちらがよいかは、書き方しだいです。

  • ブラウザで動く。インストールは不要で、Mac、Windows、Linux、Chromebookのどれでも同じプロジェクトを開けます。
  • 共同執筆がリアルタイム。複数の人が同じ原稿を同時に書け、カーソルの表示、コメント、権限、戻せるバージョン履歴があります。
  • 構成が原稿とつながっている。アウトライン、ビートボード、シーンボード、キャラクターのページは、別の写しではなく脚本から読み取られます。
  • AIは範囲を決めて、先に確かめる。ScenaloomのAIは、選んだ行、シーン、範囲、原稿だけを扱い、返答は提案です。適用は別の操作で、バージョン履歴に残ります。

日本語の脚本には、横書きのアジア形式を使えます。シーンに番号が付き、各シーンの登場人物の行が入り、セリフは人物名と同じ行に続けて書けます。縦書きとペラの書式には対応していません。また、.fdxとFountainの書き出しは常にハリウッド形式になるので、アジア形式の脚本はPDFかWordで書き出してください。

移行のチェックリスト

  1. 移したい脚本を、いまのソフトから.fdxで書き出し、基準にするためのPDFも書き出します。
  2. Scenaloomの「新規」ページから.fdxを読み込みます。手元にあるのがFountainやPDFなら、それも読み込めます。
  3. ページ数を見比べ、セリフの途中で改ページするページを抜き出して確かめます。(MORE)と(CONT'D)が思った位置に入っているかも見ます。
  4. 表紙の項目(タイトル、作者、連絡先、稿の表記)を確かめ、引き継がれなかったものを書き足します。
  5. シーン番号の固定や改訂ページを使っている原稿なら、番号を確かめ、必要なら固定し直します。
  6. 「確認したい書式」の一覧で、セリフのない人物名や、表記が二通りある人物名などの抜けを探します。
  7. .fdxで書き出し直し、共作者が使っているソフトで開いて、往復できることを確かめてから本格的に使いはじめます。
  8. 元のファイルは残しておきます。移行は写しを増やすもので、保管してある原稿を置き換えるものではありません。

形式ごとの手順は読み込みと書き出しで説明しています。

予備の形式としてのFountainとPDF

Fountainは、オープンなテキスト形式の脚本の書き方です。Fountainで書いた脚本はどのテキストエディタでも読め、多くのツールで書式の整ったページに変換できます。.fdxやPDFと一緒に、各稿のFountainの写しを残しておけば、将来どのソフトを使うことになっても、原稿を取り出せます。ScenaloomはFountainの読み込み(.fountainと.spmd)と書き出しに対応しています。

無料で使えるFinal Draftの代わりはあるか

あります。無料のソフトや無料プランのある脚本ソフトがいくつかあり、その一部は.fdxを読み書きできます。Scenaloomの無料プランはカードの登録がいらず、共同執筆とFDXの読み込み・書き出しも使えますが、脚本1本あたり400行、脚本プロジェクトは2つまでです。長編の脚本は400行を大きく超えるので、まるごと読み込むには有料プランが必要です。短い脚本や数シーンで往復を試して決めるには、無料プランで十分です。詳しくは料金ページをご覧ください。

デスクトップのソフトにとどまったほうがよい人

  • オフラインで書く必要がある人。Scenaloomにはオフラインモードもデスクトップアプリもありません。
  • 参加している作品の各部署が、特定のデスクトップのソフトと設定にそろえている人。
  • すべてのファイルを、サービス上ではなく自分のディスクに置いておきたい人。
  • 長い実績のある成熟したソフトが必要な人。Scenaloomは新しいサービスです。

両方を使う方法もあります。片方で書き、もう片方とは.fdxでやりとりし、PDFを共通の基準にします。

Scenaloomで試してみる

ブラウザで書く方法を試すなら、よく知っている短い脚本か数シーンを読み込み、PDFとページを見比べ、.fdxに書き出し直してみてください。その確認には無料プランで足ります。長編をまるごと読み込むには有料プランが必要です。選び方の全体はシナリオソフトの選び方で紹介しています。いますぐ脚本を読み込む

Final Draftなしで.fdxを開きたい、PDFを編集できる脚本に戻したいという場合は、無料のFDXコンバーターがブラウザの中で両方を行います。

よくある質問

Final Draftは日本語で使えますか?

Final Draftはハリウッド形式の英語の脚本を前提に作られたソフトです。日本語の入力や表示がどこまで快適かは版や環境によって違うため、公式サイトの情報と体験版で確かめてください。日本の縦書きやペラの書式で書くなら、ワープロや日本式の書式に対応したソフトのほうが向いています。

Final Draftがなくても.fdxファイルを開けますか?

はい。.fdxを読み込める脚本ソフトは多く、Scenaloomもそのひとつです。ブラウザで動き、要素の種類と太字・斜体・下線を保ったまま開けます。読み込んだあとは、読む、直す、PDF、Fountain、Word、.fdxに書き出すことができます。

Final Draftは無料ですか?

Final Draftの価格や体験版の条件は発売元が決めていて、変わることもあるので、公式サイトで最新の情報を確かめてください。.fdxを読み書きできる無料の選択肢がほしいなら、Scenaloomの無料プランでもFDXの読み込みと書き出しができます(脚本1本あたり400行まで。短編向けです)。

ソフトを乗り換えるとページ数は変わりますか?

変わることがあります。ソフトによってフォント、行間、改ページの決まりが少しずつ違うため、1ページ増えたり減ったり、改ページの位置がずれたりします。読み込んだら、元のPDFとページ数と最後のページを見比べてください。Scenaloomでは、エディターのページとPDFの書き出しが同じ仕組みで組まれます。

Final Draftを使っている人にScenaloomの脚本を送れますか?

はい。脚本を.fdxで書き出して送れば、太字、斜体、下線も保たれます。読んでもらうだけならPDFを送るか、Scenaloomの閲覧専用リンクを共有すれば、相手はアカウントなしでブラウザで読めます。

FDXファイルをPDFにするにはどうすればいいですか?

.fdxを読み込める脚本ソフトで開き、PDFで書き出します。Scenaloomなら「新規」ページから読み込み、シーン番号、ページ番号、表紙の有無を選んでPDFで書き出せます。以前のPDFがあれば、ページ数を見比べてください。